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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

たりない頭なら

ずっとご利用いただいている、成人脳性小児麻痺の方がおられるのです。

ご利用があった際に改善は認めるものの、股関節の痛みが取れても、経時的には痛みが再度出てきて獲得できた歩様が持続がしにくい。


脳性小児麻痺の発達において、一旦獲得できた機能も何かしらのイベントで機能低下が通常より強く起こるのは結構知られている事象ではあります。それも、多くの場合論理的に説明が可能です。

だけど、だからしょうがないというのはちょっと違うのだと思うのです。しょうがないという言葉、一人のセラピストと一人の患者の中でセラピストがそれを言うのは言い訳にしか過ぎないのかもしれないと思ったりします。


その日にアプローチできることだけでは足りず、自主的な練習や日常生活上の注意。私が思いつくことはしてきたのではありますが、やはり、痛みが出てくる。

私の技術と知識だけでは足りないと言うことなのでしょう。


今回、提案をさせていただいて、ボバースの小児インストラクターの永島先生、そして、シニアインストラクターの紀伊先生にもお願いをしてアプローチをして頂き、その場で私もご指導をして頂きました。

その後、それをできるだけ踏襲しつつ、同時に変化に応じてアレンジしながらアプローチを試みています。

結果は現在のところ、今までより良さそうに思います。

だけど、本当の結果は経過の中に存在しています。

経過の中で起きる老いを含めた色々な事柄に、身体機能だけではなくて環境調整も含めさまざまな視点でのアプローチが必要なのだと思います。

今後も経過をフォローさせて頂きたいと思っています。


少しでも長く、本人やご家族が楽に楽しく生活/仕事や遊びを楽しんでいただけるよう。


以前、講習会で講師の先生から、永島は「木を見て森を見ず。」とご指摘をいただいたことがあります。

ごもっともです。

だけど私は今でも、木を、葉を、葉脈を。木の下に茂る草やそれを育てる土。土を育てる昆虫やバクテリアも見たいのです。そして、枝になる葉たち(家族)を、森(社会)を。全部知りたいのです。その上で最も適切と思えることをして行きたい。

私一人では無理なのかもしれません。というか無理なのでしょう。

「たりない頭なら、知恵を盗みゃいい。」


一生懸命、私なりに。頑張らせて頂きます。







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