ビブラムファイブフィンガーズを履き始めて3週間。
どのような感じかというのを少し。
最初に買ったのは、KSO EVOと言うモデルですが、これは室内トレーニング等にも使えるモデルで、かなり薄いのです。草むらを歩くと草が足背からあたっていたい感じでしたのでちょっとアウトドア向けの物を探しました。
今はいているのは、V-ALPHAというモデルで、アウトドア用のオールマイティモデルという設定です。
アウトドアモデルにはV-TREKというモデルもあるのですが、それを少し町歩きが多い人向けにしたものがV-ALPHAなのでしょうか?
さて、3週間という中途半端な期間でなぜ記事を書くのかというとちょっと面白い経験をしたんですね。それを書こうと思って。
(^_^;)
まずは私の感じるビブラムファイブフィンガーズのメリットとデメリットを。
メリット
・歩くのが楽しくなる
・靴が軽い
・路面状況が解りやすい
・心拍数が上がりにくそう/息が上がりにくそう(疲れにくい)
・歩行スピードが上がる
・姿勢が良くなる
デメリット
・靴の脱着、特に履くときがちょっと時間がかかってしまう
・目立つ(?)
・下腿が疲れやすい
・雨の日はぬれやすい?
・石などを直接踏むと痛いときがある
ぐらいかなぁ・・・
さて、解説していきたいと思います。
まず、歩くのは楽しいです。今までと違った感覚で歩くことが出来ます。足の裏からの感覚は結構ダイレクトで、段差などは足部が地面の形に合わせていろいろな形に変化します。何だか楽しいです。
ただ、地面があれていて石がゴロゴロしていたりするとちょっと痛いときがあります。まぁ、気をつければ良いだけなのですけれど。
本格的な荒れ地には向いていないかも。ぬかるみもまだ未経験です。
近くの低い山に登ってみたのですが、息切れなども少なくて疲れにくさはあります。これが何に起因しているのか・・・。靴の軽さもあるとは思います。
ただ、思うに足部からの刺激で体幹筋が結構働きやすい状況になるため心肺機能が発揮しやすくなるのでは無いかと思ったりするのです。体幹の筋(コアスタビリティ)がきちんと効いている感覚がわかりやすくなっています。反面、足部はかなり筋活動が多くなるようです。
普通の靴であれば、ヒールコンタクト(かかとが付く時)に痛くないので結構無造作に付くことが出来るし、それが習慣になっていたようなのです。ビブラムファイブフィンガーズではきちんとかかとを転がしていかないといけません。ところがかかとを転がすスピードが速すぎると早いタイミングで足底全体が付くので前方への推進力を失うことになります。だから、ある程度足関節背屈を維持しつつかかとを転がしていくような事をしないと上手く歩けません。これをヒールロッカーファンクションと言います。
また、足底が全部地面に着いた時、体重がかかった足は重心を少し上げるようにするために推進力を少し止めつつからだを持ち上げるような動きを作ります。これをアンクルロッカーファンクションと言うのですが、この際にはスピードを高さエネルギーに変換するために足部の底屈筋群が働きます。普通の靴だと足を全部包み込むように固定気味につくられているので、背屈筋もそこまで働かせなくても地面に着いた靴の形態が下腿三頭筋の働きを助けているようです。
そして、重心が前足部に移ると、指の付け根あたりで体重を支えつつ蹴り出す動作が必要になります。これはフォアフットロッカーファンクションと言います。この時、下腿三頭筋の働きと共に足底の筋や腱などの軟部組織がきちんと張って足底自体に張力を発生させる必要があるようです。普通の靴ではソールの硬さがそれを支えているのであまり足底の状態のフィードバックは起きていないように思います。
ビブラムファイブフィンガーズでは、通常の靴と比較してこれらの筋活動を強く繰り返すので、今まで楽をしていた下腿の筋群は何時もより活動性を強めてきます。
で、下腿の筋疲労は結構ある感じです。まぁ、長い間には慣れてくるはずです。そもそも足にはそう言った機能がしっかりあるはずなので。
で、下腿の筋群は疲れやすいと言えば疲れやすいのですが、おそらくコアスタビリティシステムが活性化している分だけ心肺機能は楽をしているような感じです。だから結構長い時間を歩いても平気な感じ。(*^_^*)
ここでふと思うのです。片麻痺の方に装具を使うってどういうことなんだろうと。もちろん必要があれば使うことは大切です。ですけれど、脳損傷の無い人でもビブラムファイブフィンガーズを履いたら、皆さんがおそらく下腿の疲労は感じるのだと思います。それほど、靴という道具は足の活動を助けているのです。反面それが通常では起こるはずの人の身体の反応をマイルドにしてしまっていて、姿勢などに影響を与えているという側面はあるだろうと思います。
そこに装具です。ましてやマヒや感覚障害のある方に足部の動きの機会を奪ったり、感覚が入ってくる機会を奪ってしまって、脳の可塑性による回復の阻害をしている可能性が在るのだと思ったりするのです。
で、面白かったのはここから。
先日、寝ているときに足がつりました。(^_^;)
左足です。おそらく、長/短腓骨筋と足趾の伸筋群。そして小趾外転筋。外反でつるってなかなか無いですよね。(*^_^*)
画像は長短腓骨筋あたり、青いのは短腓骨筋です。
この組み合わせで足がつるってどういうことって思ってしまいました。よっぽど今まで靴によって活動が制限されていたというか、守られていたというかなのでしょう。それで急に活動を要求されたから筋疲労などの要因が重なってつってしまったのでは無いかと。
新しい組み合わせで足がつったのが面白くて。その時は凄くいたかったのです。それで、ちょうど森先生の骨格筋の講義でお聴きしたマッサージを自分でして見たところ。筋繊維が感じ取れるまで頑張ってみました。
その結果もちょっと興味深いのではあります。
あと、目立つことについてですが、これはあまり考えなくても良さそうな気がします。
まず通常の状態では、人はそこまで足下を見ません。時折見られますが、気付いても極端な反応(ガン見とか)を見せる人はほぼいません。3週間の間に通常の状態で2度見をされたのは1度だけです。ただ、特殊な状況では結構見られます。
私の場合は、ガチャの森というガチャがいっぱいあるところでガチャを楽しんでいたのですけれど、ここでは結構注目を浴びました。皆さん結構下の方を見ているんですね。だって下の段にもガチャがあるわけですから。それでもこちらがひどく不快になるほどガン見の人はいませんでした。それぞれにガチャを楽しんでいるわけですから当然と言えば当然ですね。
私のガチャコレクションはこちら。(^_^;)
靴の着脱については足趾に対する身体図式が良くなるかどうかにかかっていると思います。もう少し長い期間使用してみて、慣れが生じるかどうかと言うところですね。3週間履いていたらそれでもはじめの頃よりは早くなっています。
さて、メリットを要約すると足底の感覚が多彩に入り、足部の活動が増すこと。それによってコアスタビリティという言葉で知られている姿勢制御システムが活性化するようであるということなのです。
「セラピースペースながしま」には姿勢(円背)にお悩みの方もご利用いただいています。
施術の効果を持続させるためにはとっても有効かも知れないと思い、いま、お一人に貸し出してみているところです。
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