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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳との取引

更新日:2023年5月14日

”あなたがファシアと対応するとき、あなたは脳の「支店」と取引していることになる・・・。”


ファシアという本を開いたときにとっても気に入ったフレーズです。

(その取引ってのは等価交換ですか?)


今、月に1回程度でご利用中の方がおられるのです。

88歳の方で、膝・腰の痛みと歩行障害。下肢のしびれ。立位も支えなしには取ることができませんでした。通常の移動は車椅子。移乗は支えを持って動かれます。ただ、上肢の支持を使われているので、肩こり館の痛みが出やすいようでした。

歩行は足が交差してしまったりして、うまく歩けないとのこと。

痛みやしびれが取れたら歩けるのかなぁと思いつつ。

腰部の痛みは訴えがかなり減りました。

歩く際に足が交差するのもかなり良くなって、歩行器などで歩行ができるようになっておられます。

ただ、支えなしで立位保持はできないんですよね。

左の足部は、下垂足のようになりがちで、背屈が弱い感じ。しかも背屈を起こすと、明らかな内反背屈。

う~ん。

足部だけ見ると、軽い左片麻痺みたい・・・。ハッ!そりゃ88歳。何かしらのことが脳に起こっていたとしてもおかしくは無いですよね。

見逃してました。


というわけで、脳や脊髄との取引をすることに。

足部の粘弾性に対応しつつ、下肢のプレーシングへ。足部から操作をしようとすると、

「どうすりゃ良いんですか?(どう動かしたら良いんですか?)」と言われます。皮質で対応しておられる。

それは私が望む”脳との取引”では無いです。

感覚で反応することがしにくい様子と捉えました。足部周辺の軟部組織を動かしながらアライメントを整えつつ、ゆっくりと操作していきます。本当なら足部から操作したいところですが、必要なら膝もKey Pointsにしながら。

そうしていると、足を上げるといった動作のパターンの中では内反をあまり伴わない背屈が出せるようになってきました。



ここで、初めて言語化して「足が内側に入り込まずに持ち上がってますね!!!」って。

「あ、ほんとだ~!」

と反応が返ってきます。

大喜びで繰り返されます。

何度か繰り返してると少しパターンが崩れたり。

そんなときは休憩しながら。


足部の動きのイメージが少しだけ変わったみたいでした。

それは、中枢神経系で言えば、身体図式が変更されたと言うことになるのでは無いかと思います。


その後。「セラピースペース永島」をご利用になられてから初めて、手での支持なしに3~4秒立位保持ができるようになられました。本人もびっくり。「立てましたねぇ!」って。

娘さんも見て、びっくりしておられました。

そして、私もびっくり。


その後の歩行もずいぶん楽そう!


とっても喜んでいただけて良かった。

(*´▽`*)



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