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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

脳卒中片麻痺のフットケア

更新日:12月7日

足部〜足底は、二足直立時、歩行時の外的環境からの情報として、接触面を持つことになります。

この接触面の情報というのは結構大切だと思うのですね。

ここが内反尖足になりやすい方は多いですよね。

結局内反尖足という運動出力を作り出しているのは、脳だという見方も出来ます。

つまり、足部からの情報と身体各部位からの情報、視覚や聴覚からの情報とかさね合わさった情報が、運動出力に変換されて足部にとどくという見方も出来るわけです。

まぁ、それだけでは無いですけれど。脊髄の働きもありますので。

いや、足底の感覚刺激に対して過敏に反応して内反がでる場合など・・・、だけど、脊髄も脳の情報で調整されているから結局脳か・・・

いや、脳と脊髄は、互いに影響を与え合っている非線形の相互関係にあるので、矢っ張り脳だけというわけにはいかないのかも・・・。


何だか、正確にお話を進めようとすればするほどドツボにハマっていく感じがしますね。

と云うわけで。

取りあえず、ここでは、脳の情報収集と情報処理、そしてそれらの情報を運動プログラムに変換するというプロセスに問題があって、内反尖足が出ると仮定します。

すると、結局の所、脳が受け取る足底からの環境情報が適切では無い、或いは適切な情報処理が出来ていないため、運動出力が内反尖足になってしまうのだという見方も出来ると思うのですね。

(何度も同じようなことを書きますが、ひとつの見方です。これだけでは無いだろうと思います)


とすると、足部の感覚受容器の働きとその結果伝達された情報が中枢神経系で上手く情報処理を行っていくという、大雑把に二つのプロセスがあると言えるのでは無いかと思います。


すると、脊髄は損傷を免れていますので、取りあえず足部の感覚が適正に入力されれば損傷の影響の無い中枢神経系の部分までは感覚情報は上行することになります。

まぁ、感覚情報の感度自体も脳が制御しているところがありますので、そうとも云い切れないところもあるのですが、取りあえずそれはおいておきます。

と云うわけで、足部の感覚情報は脳の損傷を受けている部位までは上行するという理解で話を進めます。


所がですね。

脳卒中片麻痺の方の足に触れたことがある人は既にお気づきだと思うのですが、麻痺側の足部って、痙性や可動域制限が在るだけでは無く、浮腫があったり、冷感があったり、腱膜などの結合組織がやたらめったら硬くて滑りにくいとか、そういった局所循環障害の影響を受けている場合が少なくない、と云うか、むしろ多いのですね。

当然、各種感覚受容器はエネルギーや酸素が不足していることになりますので、そもそも感覚受容器自体が正常に働いているとは考えにくい状態であったりするのです。


その状態を変化させるにはやはり触れると言うことも大切なのです。

フットケアですね。


そして、その感覚情報を適正に処理していかないと、適正な運動出力に変換されないわけですよね。

身体図式情報が適正に生成、若しくはアップデートされる必要があるわけです。


ここでは、以前何度か書きましたが、頭頂間溝野が結構大切な働きを持っていると私は考えています。




これは、マカクサルの頭頂間溝野の接続を示した図です。

内側頭頂間溝野(MIP)は、MIP2は体性感覚と視覚の入力が在って、目標点と手先の相対位置で活動が変化します。


腹側頭頂間溝野(VIP)にはS1の体性感覚情報やV3・V2など視覚情報が入力しています。ここの視覚-触覚に反応するバイモーダルニューロンの多くは頭部触覚刺激の受容野があり、発火している触覚刺激付近の視覚刺激に反応するとされています。


赤ちゃんが運動発達の際に、手足を身体の真ん中に持ってきて、足をなめたりしますね。



身体図式を発達させる一つの姿勢ー運動だと思うのです。

手足を身体の真ん中に持って行って、正中軸をつくると同時に、手と足の固有感覚が同時に入力されて、さらにそれは手や足の表在感覚とともに唇からも感覚が入力されていますね。視覚情報も入ってます。

まさに多重感覚入力ですね。(^^)


それらの情報が頭頂間溝野で処理されると身体図式という情報を生成するためのベースとなってくる情報を作り上げているのだろうと思うのです。


つまり、恐らくですね。

身体図式の基本的な情報はこう言った運動経験によって、頭頂間溝野で加工(統合)されていると思うのです。

特に視覚と体性感覚、さらに言えば、頭部を初めとした自分の身体に触れることで、複数の場所から身体情報が同時に頭頂間溝野に入力される必要があるのだろうと推測しているのです。


すると、脳卒中片麻痺において、麻痺した上下肢というのはその身体図式〜身体の位置関係情報を上手く生成できなくなっているものと思われますので、先に書いたフットケアと同時に、手や視覚からの多重感覚入力が有った方が、感覚が育って、身体図式になるきっかけとなりやすいのでは無いかと推測することが出来ると思うのです。

自分の麻痺側の手も、フットケアに参加させるのですね。



実際に実施してみると、結構手のリーチの方向性とかつかみやすいようです。

ただ、この姿勢を取ることがスムーズに出来る人って、少ないようですね。皆さんにお尋ねしたら、発症後余り取ったことの無い姿勢のようです。

確かに、現在ADLの指標として利用されるFIMやBIには反映されない行為や姿勢のひとつでしょうからねぇ。(^_^;)


通常であれば、足の爪を切ったり、足がなにかしらの不調になったりするときなどに良く取る姿勢ですし、床でテレビを見たりするときもこう言った姿勢のバリエーションがありますよね。

まずこう言った姿勢のバリエーションを日常的に加えていただくことも含め、自分の足に積極的に麻痺側手で触れていくって言うのは脳の情報処理上はとっても大切なんだと思うのです。


如何でしょうか?






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