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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

認知と行動

更新日:2022年12月26日


最近、ずいぶん前に書いた空間認知と行動の記事をよく読みに来られておられるようです。

記事の方かこちら。


さて、この記事は病院に勤めているときに、「空間認知が悪いからベッドに斜めに寝てしまう」と評価をしておられたPTと話をしていて感じていたことを書いたものです。

私の感覚ではこの評価は間違いなのです。(あくまで私の思考ですよ❗)

認知と行動の結果を結びつけた考察なのだろうと思うのですけれど。

空間認知→行動結果という論理が一方的すぎると感じていたのです。


空間認知と運動や行動は確かに相関関係にあります。

しかし、それは空間認知→運動/行動といった一方向の関係性(線形の相関関係)では在りません。

空間認知→運動/行動だけでは無くて、運動/行動が空間認知に影響をすると言った相関性も持つのです。(非線形の相互作用)


空間認知が運動/行動を変容させますが、同時に運動/行動が空間認知を変容させているのです。


ですので、「空間認知が悪いからベッドに斜めに寝てしまう」という評価は根底にある空間認知と運動/行動の相互作用の種類を間違えていることになりますので、論理的に成立しないのだと思います。

相互作用は存在しているので、一見正しそうに聞こえるという、とっても厄介な評価ですね。

現在ではそういった評価をされる人は減ってきているのだろうと推測はしています。

脳の解剖からも頭頂葉と前頭葉は上縦束によって相互に接続されていて、非線形の相互作用を可能にする構造となっている事も現在は解っているわけですからね。

さて、非線形の相互作用、人の身体や動きはほぼそういった相互作用の上に成り立っています。

身体と精神も非線形の相互作用を見ることができるでしょう。精神と言われるものは脳の情報処理の結果ですので、結局、身体と精神も分けて分析するべき事柄では無いはずです。

中枢神経系と身体の関連性や、身体のそれぞれのパーツの関連性も非線形の相互作用の中にあります。


例えば、体幹の機能であるコアスタビリティの重要性は言うまでもありませんよね。コアスタビリティが上手く機能しないと末梢が過緊張を出したりして固定的になったりすることがあるのですが、じゃぁ、コアスタビリティがどのように成立するかと言えば末梢からの感覚入力も重要だったりするのです。

私たちが出来るのは、非線形の相互作用の中で、何処のつながりが最も効率よく運動や行動を変容させていくのかとかを分析して推論を立ててアプローチをしてみることなのだろうと思います。


現在のリハビリテーション医療は非常に単純化した線形の相互作用を想定することで、Aという問題に対してBという手法を用いたらCという結果が出るといった論理がまかり通っているような気がするのですが、気のせいでしょうか?

気のせいならば良いのですが、本当にそうであるなら根本的な見方を間違えている可能性があるのだろうと、私は思います。


多分気のせいですね❗

(*^_^*)



メリークリスマス❗❗❗❗

٩( ᐛ )و


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