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執筆者の写真Nagashima Kazuhiro

足の自主練習

ちょっと簡単にできる自主練習です。

本題に入る前に少しだけ。


以前、「脳の感覚代行」 という記事を書きました。

失明したかたに、カメラを取り付け、カメラの画像情報を特定のパターンに変換し、その情報を背中に取り付けた装置で触覚刺激として入力しつづけると、最終的にはその触覚刺激が視覚野に到達し、物体の位置や大きさなどを判別出来るようになると言った能の可塑性を示すお話です。

感覚代行の利用は、義足の方にももちいられているようです。

義足の方のリハビリは結構難しいのではあります。なぜかと言えば、義足には固有受容感覚が無いため、どこに義足があるのかとか、膝がどのような状態でどのように体重がかかっているのかと言う感覚情報が脳に送り届けられないので、直観的に義足を利用する事が難しいためなのです。

そこで、義足に角度とか圧力を感知するセンサーを取り付けてネオセンソリーベスト(体幹に表在感覚を入れるようなベスト)に義足からの情報を送って体幹の皮膚を刺激するようなシステムを使ってみると、正常な足に近い形で歩行するのにかかる時間が短縮出来たそうです。


これらのことは、何も眼球や足からの情報では無くても。そして、それが眼球から来る光情報、筋紡錘やGTOからの情報で無くても、きちんと系列だった情報として脳に届けることが出来れば、後は脳がその情報を利用して身体の状態を把握したり、外の情報を把握くしたりすることが出来るようになるということを示しています。


大事なのは、系統だった刺激情報が脳に送られ続けていると言うことのようですね。

それが感覚代行といわれる現象を作るひとつのポイントだと言えるでしょう。


片麻痺などの中枢神経疾患において感覚を入れ続ける。

これは結構難しいのかも知れません。麻痺があるという認識から麻痺側への荷重を脳が避けてしまうような(誤?)学習。

感覚情報の不足から脳の頭頂側頭連合野でつくられる身体図式が変化し、その変化した身体図式情報が前頭葉高次運動野に送られているわけですから、高次運動ー基底核ループが選択する運動プログラムはその変化した身体図式の中で成立できるであろうプログラムしか選択出来ないですよね。


感覚を入れ続けるというのは結構難しいのかも知れません。


片麻痺の下肢で問題になりやすいのは、足部の内反底屈であったり、ハムストリングスの高緊張であったり、足底の軟部組織の硬さから床面に足底が順応出来なかったり。床面の情報を受け取りにくいような状況であること等だろうと思います。

このあたりは外せない情報ですよね。

どんな風に知覚されているのか。セラピストとしては是非知りたい情報であって、色々推論を重ねるところでもあります。


少なくとも、ともかく麻痺をしている下肢そのものからの感覚情報を増やす事は必用だと思うのです。

だけど足底が硬いし,縮こまってるし、底屈してるし・・・

なんて時に使える自主トレ。


筋膜のつながりを見ると、スーパーフィシャル・バックラインという経路は、足底から下腿三頭筋、ハムストリングス、脊柱起立筋とつながっているのです。

と考えると、足底を緩めることが出来たら、このライン全体が緩んでくれるという理屈になります。原繊維ネットワークですからね。


ということで・・・・



足でテニスボールを転がすだけ・・・・

どうです!

テレビ見ながら。本を読みながら。スマホを操作しながら。音楽を聴きながら。


片麻痺で足を選択的に動かすことが出来ない。そんなかたもおられると思います。

だけど、考えてみてください。

感覚が入ってこないところの運動出力プログラムは生成されないのです。

感覚を取りあえず入れて行くことは大事だと言えるでしょう。


実行する上で大切なのは、骨盤や体幹の代償をもちいないと言うことではあります。

結構、無理に転がそうとして身体をねじりながら傾けて、骨盤を後継させたりなんかして結果的に足の位置が変わるような出力パターンを選択されてしまう人もおられたりします。


脳は、結果を要求してきますから、どのようなパターンでも動かそうとしちゃったりするわけです。

でも、それでは足からの感覚が入っているというわけには成にくいですよね。


だけど、大丈夫。無理をしないことなのです。

感覚情報が足りていないから運動出力に結びついていないのだという視点から言えば、感覚情報をまず送っていくことが大事な場合も有ります。

そういったときは、

踏んでいるだけでも良いのです。押し付けたりやめたり。

それだけでも継続すればその感覚情報は、脳の中で意味が生じてくるはずです。


セラピストの方、自分で試してみてください。

片足、4〜5分ずつでも。

やった後に、身体の前屈などをすると身体が柔らかくなっていることに気付かれるでしょう。足部の背屈もしやすくなっています。

柔らかくなった足関節や足底は、床情報を上手に脳に伝えてくれているはずです。

歩いてみると、普段より足が軽くなったり、バランスがとりやすくなっていたり。

なにかしらの変化に気づかれることでしょう。

٩( ᐛ )و


私、今この記事を書きながらも足でテニスボールをコロコロしてます。

(๑>◡<๑)


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